そもそもフォークリフトとは?
フォークリフトとは、車両の前に突き出た2本の爪(フォーク)の上に荷物を載せて運ぶ車両です。
種類も「リーチ式」と「カウンターバランス式」の2種類があり、更に「オートマ式」と「マニュアル(クラッチ)式」、「バッテリー式」と「エンジン式」など、車両の性能によって様々な種類があります。
リーチ式・・・一般的に倉庫内や狭い屋内での作業に使用されることが多く、車体もコンパクトなものが多く、特別重いもの乗せられる構造ではないため、燃料もバッテリーで動くものが多いです。
カウンターバランス式・・・通常フォークリフト免許を取得する際に乗る一般的な形となります。エンジンで動くものが多く、車体もズッシリ大型で、特に車両の後部が重くなっているため、重量物を運ぶのに適した構造です。屋内・屋外問わず作業できますが、リーチ式よりも小回りは利きません。
今回の講習では「カウンターバランス式」の「マニュアル式」の「エンジン式」を使用しました。
テキスト以外の画像は、いずれもカウンターバランス式。
講習について@ < 技能講習と特別教育の違い >
フォークリフト運転者資格は、フォークリフトを操縦する為に必要な資格で、労働安全衛生法に基づく国家資格です。
技能講習は、最大荷重(運べる荷物の重量)1トン以上の荷物を運ぶことができます。
特別教育は、最大荷重1トン未満の荷物を運ぶことができます。
それぞれ「講習・教育」を受けて学科・実技の修了試験に合格すれば免許証(修了証)が交付されます。
講習についてA < 受講資格などについて >
講習の受講には年齢制限があり、18歳以上の者でなければ受講することができません。
(18歳以上であれば、高校生でも受講することは可能です。)
講習は全国各地で開催されており、一般の自動車教習所や建設機械メーカーが運営する教習機関があります。
これらの教習機関は「登録教習機関」として国の登録を受けて運営されています。
講習は、学科講習→学科試験→実技講習→実技試験→修了証交付といった流れになっています。
受講料金も各教習機関で異なり、相場は35000円〜40000円くらいとなっています。
(大型特殊免許所持の方は免除科目があり、その分受講料金も安くなるので、各教習機関にお問い合わせください。)
講習についてB < 公道走行の注意点 >
「フォークリフト運転者技能講習」は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを操縦できる資格です。
日本国内には空港などに40トン級があるとのことですが、もちろんこのフォークリフトも扱えます。
この技能講習は、私有地(構内)で荷物の運搬・走行ができる資格であって、公道走行はできません。
フォークリフトで公道走行をするには国家公安委員会の「大型特殊免許」を取得し、
フォークリフトも通常の自動車と同様に保安基準を満たし、保険加入等の措置を講じなければなりません。
また公道走行の際は、荷物を運搬することはできません。
特に工場(構内)間の移動で公道を横切るなどの違法走行をしていることが多いとのことです。
(小型特殊自動車に該当するフォークリフトであれば、普通免許で公道走行は可能です。)
講習についてC < 実際の講習の流れ >
管理人は2008年2月に行なわれた講習に参加して修了しました。尚受講内容によっては各教習機関によって多少のバラつきがあるので、参考程度にご覧下さい。
フォークリフト運転技能講習は、18歳以上であれば受講できますが、普通自動車免許や大型特殊免許を持っている人は一定の受講科目が免除され、私が行った教習機関では普通免許所持者は4日間、大特免許所持者は2日間で受講を終えることができました。
普通免許を持っている人は初日に学科講習と学科試験を行い、残りの3日間で実技講習、最終日に修了試験(実技試験)を行うというものでした。
学科はフォークリフトの構造に関することと労働安全衛生法に関することです。講義は模型などを使ってわかり易く説明してくれ、テキストの重要な箇所ににアンダーラインを引いていきます。そして学科試験ですが、意外と簡単で、一番最年少と言うこともあってか、1番最初にあがり、翌日の説明を聞き帰りました。
2日目からはいよいよ実技です。普通免許取得チームは7人でしたが、そのうち初心者は自分含めて3人。ちなみに初心者と言うのはフォークリフトの操縦をしたことがない人。つまり残りの4人は経験者。そうです。彼らは今まで無免許で運転していた人達です。なので非常に操作が上手く退屈そうな中で結構楽しんでいました。で、指導員が機転を利かせてくれ指導員を倍増し経験者+年配者で1台。初心者2人で1台と言う条件の下練習をさせてくれました。2人で1台を使えると言う好条件はなかなかないそうです。自分もフォークリフトを運転したくて受講したのでとても楽しかったです。ただ当日は土砂降りの雨でしかも2月。合羽を着てやりましたが、指の感覚がなくなってきました。5人チームは5人で1サイクルなので1人あたりの雨に濡れる時間は少ないですが、こちらは2人で1サイクルなので、ずーと雨に濡れていた感覚ですw
引続き技能講習です。講習が進むにつれて皆さんとも仲良くなりました。フォークリフトのエンジン点検する作業などもあったのですが、私が最年少(=教習所を出て間もない)ということで、エンジンの説明を指導員に求められましたが、まったくわかりませんでしたorz
そして技能講習最終日には1トンのコンクリートの塊を使って走行・積み下ろしの練習です。これは受講者全員で揃って行ないましたが、経験者でも苦戦していました。それまではカラパレ(=フォークリフトで荷物を運ぶ時はパレットと呼ばれるすのこのような板をフォークと荷物の間に挟む。カラパレとはパレットだけのこと)の状態で練習をしていましたが、やはり1トンともなると、ちょっと操作を急にすると、車体がガタガタ動き、非常に怖い。ちなみに修了試験では減点対象です。
とにかく荷物を持ち上げる時は素早く、下ろす時は慎重にということで、経験者の皆さんも真剣でした。そして修了試験では制限時間もある為タイムトライアルを何度か行ないましたが、経験者の皆さんは余裕というか気を使ってくれたのか、私たち初心者に時間をくれて、皆さんよりも多く練習をすることができました。
さていよいよ修了試験です。私は5番目でしたが、すでに場内には照明が焚かれ、自分の番からフォークリフトの作業灯をつけることになりました。今まで練習してきたとはいえ、暗い中での作業はこれが最初で最後。結構緊張しました。途中急発進をしてしまい危なかったですが、無事に修了試験を終え検定員より合格をいただきました。こうして4日間に渡る技能講習は修了し、無事に修了証を手に入れることができました!
指導員の方は重要なポイントを教えてくれ、また他のベテランの受講者の方たちが親切に教えてくれたんですね。指導員も「これだけよくできた受講チームは創設以来はじめてじゃないか」とも言われ、自分もとても恵まれたチームで参加できて嬉しかったです。この場を借りましてお世話になったすべての方に感謝します。
講習についてD < 講習で気をつけること >
寒さ対策・・・これまで管理人は何箇所もの教習機関に足を運びましたが、フォークリフトの実技はどこの機関も外で行っていました。
管理人が受講したときは2月の真冬で、しかも土砂降りの雨の中でした。持ち物の説明では雨合羽を持ってくるように指示をされていましたが、冬場はしっかりと寒さ対策をする必要があると感じました。
暑さ対策・・・逆に夏場だと、フォークリフトが走行する路面は舗装されているので、炎天下の照り返しによって体感気温はぐっと上昇すると思われます。真夏でも上下長袖・長ズボンなので、教習機関から特に指示をされていなくても、暑さ対策を万全にして特に水分補給ができるような対策が必要と思われます。
講習についてE < その他気をつけること >
どこの教習機関でも同じですが、無事に講習を修了して、修了証(免許証)を受け取ると、説明があります。
それは「修了証の紛失について」です。
各種技能講習は全国一律の各種法令に基づいて実施されているものですが、あなたがその資格を取得したと立証できるのは、その技能講習を受講した教習機関でしか証明できません。
修了証をよく見てみると、修了証の発行者がその教習機関の名前になっているはずです。
つまり、その修了証を紛失してしまうと、受講した教習機関しか再発行できないので注意が必要なのです。
また作業従事中は修了証の原本を携帯していなければならないので、常に紛失のリスクがあります。
なので、心配な方は修了証を貰ってきたらコピーをとって、そのコピーを家に保管しておくことをおすすめします。
これにより、万が一の再発行の手続きがスムーズにいきます。
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